天照大神(アマテラス)の天戸隠れ 〜 日本神話 〜

伊弉諾尊(イザナギ)の禊ぎから誕生した三貴子(ミハシラノウズノミコ)の内の二柱は、 それぞれ命を受けた地へと去っていった。 だが一人須佐之男命(スサノオノミコト)はいつまでも泣きつづけた。

その泣き声は天地を揺るがし、木々を枯らし、悪神が跋扈する程であった。 伊弉諾尊は須佐之男命にお前は何故そんなにも泣きつづけるのか問うと、 須佐之男命は、私は母である伊弉冉尊(イザナミノミコト)に会いに黄泉国に行きたいのですと答えた。 伊弉諾尊はお前のような奴に用はないと追放を言い渡し、近江の地に去っていった。

須佐之男命は姉に挨拶してから去ろうと思い高天原に上がるが、 須佐之男命の凄まじさに地は揺れ、山川は轟く程の有り様であった。 天照大御神は須佐之男命の凄まじさに、国を奪いに来たものと思い、 武装して須佐之男命の前に現れた。須佐之男命は姉に邪心が無い旨伝えると、 天照大御神は誓約(宇気比(ウケイ))を行った。

須佐之男命に邪心が無い事を知った天照大御神はしばらく高天原に留まるように 言い渡した。だが、時が流れ須佐之男命は高天原に災いをもたらした。 天照大御神の耕す田を壊し、御殿に糞をしたり、神聖な衣装を織る 幡屋に皮を剥いだ馬を投げ込み、服織女を驚かして殺したりと その行いに神々は恐怖し、天照大御神に報告した。

天照大御神は恐れ天之岩戸に身を隠す。 すると世界は暗黒に包まれ悪神がはびこり始めた。 八百万神は集い、思兼神(オモイカネノカミ)の案で宴会を始めた。 まず、長鳴鳥を岩戸の前に集めて鳴かせ、 榊に伊斯許理度売命(イシコリドメノミコト)に作らせた鏡と玉祖神(タマノオヤノミコト)に作らせた勾玉を掛け、 布刀玉命(フトダマノミコト)には御幣を、天児屋命(アマノコヤネノミコト)には祝詞を奉らせた。

そして、岩戸の中心で天宇受売命(アマノウズメノミコト)が乱舞し、八百万神(ヤオロズノカミ)が拍手喝采した。 天照大御神は外が騒がしいので何事かと岩戸を細めに開き、 皆は何をそんなに喜んでいるのか問うと天宇受売命が、 貴方様以上の貴い神が現れたので、皆喜んでいるのですと答えた。

そして天児屋命が鏡を天照大御神の前に差し出した。 天照大御神は鏡に写った自分の姿を貴い神と思い、 良く見ようと身を乗り出したとき、天手力男神(アマノテジカラノミコト)が外に引出し、 二度と岩戸に入れないように岩に注連縄を締めた。 こうして再び天地に光があふれた。

神々は協議し須佐之男命の手足の爪を剥ぎ高天原から追放した。

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