ジンポ族の神話 〜 中国の神話 〜

初め天も地もなく、ただ混沌とした空間が存在した。 神であるノンクェンアはそんな空間を見て寂しく思い、まず天を造り大地を形作り地を造った。 天地を一回りした神はまだ寂しく思い、地におり泥から男女の人間と動物達を造った。 こうして楽園が出来上がった。

あまりの騒がしさに眠りより覚めた悪神カゾルレイは、 己が眠っている内に天地が一変しているのに驚き、大声で神を呼びつけた。 神は自分を呼ぶ者は誰かと姿を現すと、斧を手にした悪神が怒りの顔で立っていた。 神は何事か訪ねると、悪神は何故こんな世界を造ったか問いただした。 神は天と地を分けることにより、こんなすばらしい世界が出来たことを話すが、 悪神はすばらしい世界は納得したが、勝手に造られたことに腹を立て、 全てを作り直そうと斧を振り上げ天に振り下ろした。 神は怒り悪神を止め、激闘が天地を揺るがした。 双方が力つきた頃、悪神の投げた斧が、神の胸に当たり神は逃げ去った。 悪神も力つき、最後の力で川をひっくり返し大洪水が起きるのをみて楽園を去っていった。

大洪水は地の者全てを洗い流したが、放牧で高山に登っていた姉弟だけは上がってくる水位を見て、 牛を殺し皮袋を作り、その中に二人で入り難を逃れた。 洪水が去り皮より出た二人は、山をおり各地を行くが誰もなく、 次第に腹が減り、山の神の老婆の元に身を寄せることにした。 二人が成長した頃、老婆は人間を増やすにはこの二人を結ばせなくてはならないと思ったが、 二人は姉弟で子を作る事を神が許さないといいはるので、 困った山の神はそれでは二人で山の上から転がり落ち、 身体が重なってたら神の許しが出たということではないかと納得させ、 姉を東の山から弟を西の山より落とした。 何度やろうと二人の身体が谷底で重なり合うので、二人は夫婦となった。 やがて、二人の間にアガンが誕生した。

山の神は我が孫のように可愛がっていたが、夫婦がいないとき、 あまりにも泣きやまないので激怒してしまいアガンを八切りにしてしまった。 山の神が途方にくれて去ると、八つの塊からアガンそっくりの四人の若者と四人の娘が生まれ出た。 子供がいない事を知った姉は山に入りアガンを探した。 しばらくするとアガンそっくりの若者に出会い、我が子よと叫ぶが若者らには記憶が無かった。 あまりにも女の顔が真剣なので若者の一人が、ではこの炭を洗い白くなれば貴方の子の証拠、 白くならなければ子ではない証拠です。 というので姉は炭を洗うが何度洗っても炭は白くはならなかった。 子らは母と父を残し、定塔門をくぐり去っていきお互い夫婦となりそれぞれジンポ族、 リス族、アワ族、ポンロン族の祖先となった。 残された姉は子らを追うが定塔門ではなく太陽門にたどりつきそこで長い年月、門が開くのを持ちつづけた。

神のノンクェンアは傷も癒え地を見ると、大地は荒れ、生き物の姿が無いので悲しんでいた。 そんな時泣き声が聞こえたので山の神を問いただした。 神は生き残った人間がいることを知り大変に喜んだ。 そして、母親と子らを対面させようと思った。 創造神は地におり子らの元へ行き事情を話すと、みなが自分の部族に母を迎えようとして戦になってしまった。 困った神は母親を太陽に変え、いつでも子らが母親を見る事が出来るようにし、 母親も我が子らの子孫を身守り続けることが出来るようにした。 人間の母である太陽は、いつまでも暖かく照り続けているという。