神武東征 〜 日本神話 〜

 伊波礼比古命 東征

神々の時代より人間の時代に移った頃、 鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)と玉依比命(タマヨリヒメノミコト)の子である、 伊波礼比古命(イワレビコノミコト)と五瀬命(イツセノミコト)は共に高千穂を治めていたが、 二人は日の神の子として天下を治めるには高千穂は西の果て過ぎると、軍を率い東征する。

 布都御魂剣

日向、宇佐、安芸、吉備、難波と数々の戦いと時が過ぎ、いざ山を越えると大和の国というとき、 五瀬命が戦で受けた怪我が悪化し死亡する。 伊波礼比古命は船を廻し熊野の地に上陸するが、ここで熊の毒気に当てられ、伊波礼比古命以下兵達が倒れてしまう。 天上より見ていた天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、 高倉下神(タカクラジノミコト)に布都御魂剣(フツミタマノケン)を授け、伊波礼比古命に献上せよと命じる。 布都御魂剣を受け取った伊波礼比古命は気を戻し、兵等も回復した。

 八咫鴉

 力を取り戻した軍勢が大和の山を越え進むと、その前に八咫鴉が現れ軍勢を先導した。 八咫鴉の下、進む軍勢は宇陀に着き、豪族兄宇迦斯と弟宇迦斯を倒しその地の一族を降伏させる。

 土蜘蛛と長髄彦

大室にて土蜘蛛一族と出会う。 伊波礼比古命は一族の人数八十人と同数の八十人の料理人を呼び、食事に夢中の土蜘蛛一族を斬り捨てた。 但し一人、長髄彦(ナガスネヒコ)が強敵であり、軍勢は三輪山にて敵対する。 永き戦いの末、一羽の金鳶が伊波礼比古命の弓にとまると、そこから閃光が走り、 長髄彦の軍勢は目が眩んだ隙に勝敗は決した。 長髄彦は、我は天神である饒速日命(ニギハヤヒノミコト)の臣下である。 何故に我を斬るのかと使者を出す。 背後で観察していた饒速日命は、伊波礼比古命を正当なる御子であると認め、 未だ戦おうとする長髄彦を斬り捨てる。

 即位

大和を平定した伊波礼比古命は大宮を築き、初代現人神神武天皇(諡)として即位した。
時は紀元前六六〇年一月一日(皇紀元年)の出来事である。

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